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家庭医は家庭医療をどう認識しているか? 質的分析

BMC Fam Pract. 2019 Sep 12;20(1):129. doi: 10.1186/s12875-019-1017-5. A global picture of family medicine: the view from a WONCA Storybooth. Cubaka VK, Dyck C, Dawe R, Alghalyini B, Whalen-Browne M, Cejas G, Gibson C. https://bmcfampract.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12875-019-1017-5 家庭医療は継続性、包括性、行動性、文脈性をもつプライマリ・ヘルスケアを個人、家族、社会に提供する。家庭医療は生物的、心理的、社会・経済的、文化的、スピリチュアルな要素を考慮し、年齢、性別、臓器、分野、疾患に制限されない。予防や健康教育も含める。しっかりしたプライマリ・ヘルス・ケアを持っている国はより費用対効果の良いシステムを構築し、健康面での不平等を減らし、人口全体を全体的により健康にしている。 多くの国において、家庭医療は比較的新しい専門領域であり、世界中の異なるコンテクストにおける対象のバリエーションと診療の不均一性について、幅広い基本的なレベルの課題が残っている。 この研究の目的は、世界中の家庭医が自らの専門領域について持っている共通の認識、信念を明らかにすること。WONCA(世界家庭医学会)に集まった参加者からのインタビューで調査した。  家庭医たちは何に動機づけされて家庭医療の世界に飛び込んだのか?  家庭医たちによって人視される家庭医療のインパクト  世界中の家庭医たちが共有している特性とは? 先行研究がなかったので、国際会議における短い個人的インタビューのデータを集めて、探索的な質的アプローチを選択した。 家庭医療のキーとなる特徴  comprehensive care  holistic care  patient-centered care  proximity with people  continuity of care  prevention and health...

simple, complicated, complex, chaos は診療難易度の枠組みではない

Med J Aust. 2005 Jul 18;183(2):106-9. General practice--chaos, complexity and innovation. Martin CM1, Sturmberg JP. Primary Halth Care の再形成には、アクセスの向上、効果的なGPサービス、ヘルスプロモーション、予防、慢性疾患マネジメント、などが求められる。現在、再形成にはわかりやすい部分でのエビデンスが用いられているが、PHCの大部分はは複雑でありよくわかっていない。複雑性理論に基づくと、多くの出来事は古典的なエビデンスや社会的知識では予測できない。複雑性の知識は、PHCにおけるGPの役割を理解するために役立つ。複雑性理論は新しい知識領域や議論をもたらし、新たなPHCの目標や、再構築、発展に役立つだろう。 この論文の主題は、プライマリ・ヘルス・ケアの再構築で、単純なエビデンスばかりでは改善しきれないことから、複雑性の理論をもって考えて議論してはどうか、という提案。診療の患者の複雑性を分類するような記載はなかった。

複雑な問題に対するジェネラリストの解決方法

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BMC Fam Pract. 2013 Aug 7;14:112. doi: 10.1186/1471-2296-14-112. Generalist solutions to complex problems: generating practice-based evidence--the example of managing multi-morbidity. Reeve J, Blakeman T, Freeman GK, Green LA, James PA, Lucassen P, Martin CM, Sturmberg JP, van Weel C. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23919296 世界の健康問題が多疾患併存に移行してきており、病態にフォーカスした専門科のケアの限界が見えてきている。ジェネラリストのアプローチはそれ自体が「複雑な介入」であり、この複雑な介入がどのような影響を生み出すのかを探索していく必要がある。 ではその「複雑な介入」としてのジェネラリストの専門性を評価するためには、ジェネラリスト専門性の定義が必要だ。継続性や責任性、ケアのコーディネートなどは他専門科でも実施する。 Reeveらは パーソナルケアでは不十分(共感的で疾患のケアが行われる)で、より高度で、心理的・実際的な影響に対する支援を実施するパーソナライズドケアが求められると述べた。 Expert Generalist Practice では、ValuesとSkills をともにトレーニングされた、解釈的診療を実践できることが求められる。外部要因が診療に大きく影響するジェネライスと診療では、システム全体を認識し、評価する必要がある。そのための方法としてNormalization Process Theory がある。 Expert Generalistがどのようなアウトカムを提供しているのかのエビデンスが必要で、そのための方法としてNPTのフレームワークを使ってのアクションリサーチが試みられている。このような方法でPracticeからEvidenceを抽出し、Generalistの専門性を明らかにしていく必要がある。 

The SAGE consultation model

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Br J Gen Pract. 2015 Apr;65(633):207-8. doi: 10.3399/bjgp15X684613. Supporting expert generalist practice: the SAGE consultation model. Reeve J. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4377603/ Expert Generalist はたくさんのことを知っているというよりは、患者の疾患経過を多様な手段でナビゲートできる医師。Generalistとしての明確な専門領域は、個別化された病気のケアを提供すること。 高度に個別化されたケアには、良いコミュニケーション、共感、個別化された意思決定が必要。つまり、ガイドラインの個人への適用を超えた、病気経験の個別化した解釈を共に創り出す解釈的実践である。 SAGE model • the VIP lens; • multisource data; • individually-tailored care; • rapid review; • impact review. The VIP lens 解釈するということは意味を説明する、または意味を作り出すこと。個人的な病気の経験にフォーカスする。最初の目標は、患者の求め、利用できるリソースを同定すること。特に、日常生活を維持・支援するというゴールをサポートするための機会を同定する。 Multisource data 患者の病気の経験に意味を加えるため、多く情報源にあたる。それぞれのデータにはヒエラルキーはなく、医学的データも、患者の体験も同等に扱う Individually tailored care 得られたデータを使ってこの病気についてこの個人における解釈を作成する。この解釈により、この個人の病気の経験を医学化(Medicalization)することがこの人の最善の利益になるかどうかを検討する。疾患中心のケアから距離を置くべき患者の判断も行われる。 Rapid review これらの解釈と判断は患者の個別性が高く影響するため、ガイドラインやプロトコルで検証することが難しい。解釈の質を評価する必要がある。Rapid revi...

診断に至るアプローチ 仮説演繹法とは異なる手段

Ann Fam Med. 2018 Jul;16(4):353-358. doi: 10.1370/afm.2264. Solving the Diagnostic Challenge: A Patient-Centered Approach. Donner-Banzhoff N1. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29987086 診断に至る医師の思考プロセス  主訴から鑑別診断を想起し、それぞれの鑑別診断に特徴的な診断項目を聴取する  どこまで聴取するかは 診断閾値モデル (Threshold model of diagnosis, Pauker, Kassirer)における治療閾値を超えるか、診断閾値より下がるまで プライマリ・ケアの特徴  しかし、プライマリ・ケアは有病率が低い。診断閾値より低い状態からどうやって処置の必要な患者を見つけ出すプロセスをどう説明するか。また、プライマリ・ケアが取り扱う領域は極めて広い。診断のはじめから特定の疾患の仮説を立てることが理にかなっていない。そのため、特定の疾患の仮説をたてずに問題を探るという戦略がとられる。 プライマリ・ケアの医師はどうしているのか  診断仮説を設定する前にInductive Foraging という戦略がとられる。このプロセスはまず患者が自らの問題を提示することからはじまる。主訴から始まり、症状、身体機能への影響、気がかりなことや心配なこと、期待など。医師に邪魔されることなくその話をすることで、自らが抱える問題の領域(problem space)へ医師を導いていく。  Problem space へ導かれた医師は、まだ特定の仮説を持つことなく、そのspace を全般的に探索する質問をする。これを Triggered routine と呼ぶ。嘔吐の患者であれば、腹痛はどうか、便通はどうかなど。 <コメント> この考え方は自分の実際の診療にも合致している印象。診断プロセスの可視化において、プライマリ・ケアでは重要な論文