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患者中心のコミュニケーションを測定するときの問題 2005

Soc Sci Med. 2005 Oct;61(7):1516-28. Epub 2005 Apr 15. Measuring patient-centered communication in patient-physician consultations: theoretical and practical issues. Epstein RM, Franks P, Fiscella K, Shields CG, Meldrum SC, Kravitz RL, Duberstein PR. 患者中心性、患者中心のコミュニケーション、患者中心のケア は相互交換的に使われる しかし、それが何なのか、どんな理論に基づいているのか、どうやって測定するのかは依然明確ではない McWhinney(1995) は 1) 患者のニーズ、希望、期待を考慮する 2) 患者が自らのケアに参画する機会を提供する 3) 医師患者関係において理解とパートナーシップを強化 著者らは 患者中心のコミュニケーション(PCC)には4つのドメイン  患者の視点  心理社会的コンテクスト  理解の共有 shared understanding  力と信頼の共有 sharing power and responsibility 患者中心のコミュニケーションが測定できるようになると、教育機関、免許団体などで医師の必須能力としてPCCを組み込むことができる Mead and Bower, Stewart, Howie, Heaney, Maxwell などの研究で積み上げられた治験を踏まえ 患者中心のコミュニケーションの測定には課題がある  理論的・概念的な明確さ、証明されていない仮定、適切な対照群設定、調査や測定指標の相関性、患者中心のコミュニケーションが他の因子とオーバラップすること 著者らは改善にむけて9つの領域を提案した 1)理論に基づいた定義 2)何が測定されているのか明確化 3)相互作用と同様に、医師・患者それぞれのコミュニケーション行動を説明する 4)コンテクストを説明する 5)手段を妥当にする 6)医師の患者による評価を解釈する 7)長期にわたる研究を行う 8)PCCと患者アウトカムにつながる経路、媒介因子を調査する 9)...

患者中心性の評価方法の比較 2000

Patient Educ Couns. 2000 Jan;39(1):71-80. Measuring patient-centredness: a comparison of three observation-based instruments. Mead N, Bower P. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11013549 3つの異なる患者中心性の評価指標(観察による)の信頼性と妥当性を評価する プライマリ・ケアの質を評価するためには、妥当で信頼性のある評価方法が必要 プライマリ・ケアの要素は医学的なケアの質だけではない 質の高い患者ケアには患者中心性が重要視されるようになってきているが 患者中心性が患者アウトカムを改善するというエビデンスは乏しい 患者中心性が様々な定義、様々な評価方法で検討されていることも問題点  態度、知識、診療行動 一つ、評価基準の妥当性を検討している論文がある Winefield らは患者中心な診療を以下のように定義 1)患者の意見や期待に受容的 2)治療についての意思決定に患者を参画させる 3)患者との感情的な関係性に注意を払う 2つの異なる患者中心製の測定方法では相関が低かった 心理社会的や複雑な診療ではどちらも患者中心性は高かったが、患者の年齢や医師との親密性、診療時間や患者・医師の満足度は一貫性がなかった。 これらから、患者中心性を評価するにあたって違う評価を使うと比較が難しい可能性がある。この研究では、観察をもとにした患者中心性の評価方法の信頼性、妥当性について評価し、他の一般的な研究で使われる診療変数との関連を比較し、研究や質評価に実際に利用可能なのかを議論する。 サンプル 72件の録画された診療 成人:24人のボランティアGP:13のUKの診療所  評価に不十分なサンプルを除き、55件が分析対象となった  患者に説明し、拒否率は10〜15%であった 拒否理由は若い年齢、大きい感情の動き、生殖器関連の問題と思われた 測定方法 1) The rating scale  Euro-communication study で用いられた指標 ビデオを1回だけ見て、医師の患者中心的な行動0−5の6段階で5項目を評...

General Practice のコア要素 2004

Fam Pract. 2004 Aug;21(4):458-68. Quality, core values and the general practice consultation: issues of definition, measurement and delivery. Howie JG, Heaney D, Maxwell M. https://academic.oup.com/fampra/article/21/4/458/518057 Campbell と Roland  access と effectiveness が2つの基本的構成要素  effectiveness が clinical effectiveness とinterpersonal effectiveness に分けられる  (その後、efficiency と equity が加えられた) Donabedian が提案する technical と interpersonal のeffectiveness はちょっと異なるが似ている このエッセイでは、inter-personal effectiveness - 定義や計測の難しい要素 - 生物学的・物質的な考え方に埋もれる危険性のある要素 - について論じる まず、general practice 領域の core value について論じる。これら core value の中でも2つ patient centeredness と holism についてを中心に そして、 consultation quality index (CQI) の発達についておさらいする General practiceのQuality agenda から inter-personal care が除かれないことの重要性を明らかにする Michael Balint; General Practice における医師患者関係の重要性 McWhinney が一つの専門領域として認められることの4つの条件を提示 1) a unique field of action 2) its own skills  (未分化な問題への対応、疾患を持つ前から人々に関心を持つ、医師患者関係のダイナミクス) 3) the abilit...

General Practice 新たな定義 2000 BMJ

BMJ. 2000 Feb 5;320(7231):354-7. General practice--time for a new definition. Olesen F, Dickinson J, Hjortdahl P. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10657333 2000年代に入り、専門家としての理想的な中身をもとに新たな定義を作る時が来た 新たな定義は General Practice の核となる内容や機能を描出し、医学的専門分野としての表現も求められる 国ごとに特化するのではなく、ユニバーサルな定義に 教育や研修の枠組みとして使えることも必要 よく引用されるもので古いものは 1974年 Leeuwenhorst の定義 "The general practitioner is a licensed medical graduate who gives personal, primary and continuing care to individuals, families and a practice population irrespective of age, sex and illness. It is the synthesis of these functions which is unique." 他の定義も、家族や文化の文脈の中にいる患者、ケアの継続性や関係性の継続に焦点を当てている。 著者らは、GPとGPではない医師をこれらの軸で識別できるかどうか考えたが、それは変化を邪魔し、失敗につながるのではないかと考えた。この定義は長期間に渡ってフルタイムで安定したコミュニティで提供されるサービスを想定されているが、それは現代では医師にとって困難になってきている。多くの定義は役割と人間を混同して設定している。 定義は他の分野との間に線を引く事を目的としがちだが、それは医学領域では難しい。その分野の中心をポジティブに定義することが重要で、他の分野の良い医師の条件とのオーバーラップも許容する必要がある。 状況により、特殊な場面で診療するGPであっても、症状や徴候だけでなく社会・心理的な因子が患者に与える影響を考慮して患者を理解するというところは...

家庭医の新しい定義にチャレンジ 2018 J Coll Phy Surg Pak

J Coll Physicians Surg Pak. 2018 Jan;28(1):76-77. doi: 10.29271/jcpsp.2018.01.76. A Definition of Family Medicine and General Practice. Hashim MJ. https://jcpsp.pk/archive/2018/Jan2018/22.pdf 日本だけでなく「family medicine / general practice」の定義は理解しにくいと思われている。家庭医療のプリンシプルやGPに望まれる特性は長たらしい定義で羅列される。 AAFPの定義 3人の研究者によるGPの定義 2002年のヨーロッパコンセンサスの定義 こういった定義は専門用語で満たされ、理解できない。全部の満たすべき条件を記載することは、好ましいことではない。 複雑にならないようにするためには、いろいろな特徴を包括的に表す言葉を使うことができる。 Holistic Care に patient-centered や continuity of care などが含まれるように。 著者らは新たな定義を考えた。 General practice/family medicine is the medical specialty that manages common and long-term illnesses in children and adults focusing on overall health and well-being. 単純化のリスクはあるが、政策決定者や教育の現場で使えると考える <comment> たしかに、家庭医や総合診療医の定義はややこしいものばかり。何か一つの特徴だけで表せないという複雑性を持っているところが、実際の診療と同様に要素還元主義と相容れないところか。